栃木県益子町と益子町教育委員会は本日(2020年4月16日(木))、先日新型コロナウイルスへの感染が確認された宇都宮在住の40代教師(「小学校の教師が新型コロナ感染 ・栃木県40例目に達す(宇都宮市12例目)」4/15判明)が、益子町は4つの小学校で勤務していたことを明らかにしました。4つの小学校は同日閉鎖し当面休業にしたとのことです。
感染した小学校教師は、外国語指導助手
感染が確認された40代女性は、宇都宮市在住で、外国語を母国語とする外国語指導助手=「ALT(Assistant Language Teacher)」として益子町の4つの小学校で2020年4月8日(水)から13日(月)まで勤務し、10日(金)は4クラス分の授業を補助的立場で行っていたとのこと。
すでに報告されているとおり、この方は風邪の症状がありながら勤務に当たっており、2020年4月15日(水)にPCR検査で陽性が判明されています。また、4月1日(水)には発熱している埼玉県在住の友人と家族ぐるみで食事していることも明かになっています。
行動と経過アップデート
以下、先日発表された行動歴や経過を更新してお伝えします。なお、授業は、あくまで担当分野のみであり、フルで授業をしているわけではないと発表されています。始業式はソーシャルディスタンス(2mほどの距離を開けるなど)確保に努めていたとのことです。濃厚接触者については、現在、小学校関係者(各校およそ25名程度)および児童を含めた調査を進めている段階とのことです。
・2020年4月1日(水) 発熱している県外の友人と家族ぐるみで食事。
・2020年4月8日(水) 鼻水の症状、13日まで続く(発症日)。熱は37度を超えている。この日、益子町立田野小学校の始業式に参加。始業式は屋外。簡単な自己紹介のみで、授業はしておらず、児童とは距離があったとのこと。マスクは着用。
・2020年4月9日(木) 益子町七井小学校に勤務。入学式が終わった後、授業を1時間予定していたが、5分程度の挨拶のみで終わる。マスクは着用。夕方、宇都宮市内の医療機関Aを受診。風邪薬と解熱剤が処方。熱は37.6度で14日まで続く。
・2020年4月10日(金) 益子市立西小学校に勤務。4クラス分の授業を実施。授業の中での役割を分担しており、単独で授業を全て行うことはないとのこと。終日マスク着用。
・2020年4月11日(土) 12日まで自宅待機。咳症状が13日まで続く。
・2020年4月13日(月) 益子町立益子小学校で勤務。学校休業に入っており、子供達は通学しておらず、授業はしていない。職員室にいたものとの接触は或。夕方、宇都宮市の医療機関Aを受診。(4月1日に食事をした)友人がインフルエンザに感染したいたことから抗インフルエンザ薬を処方。その後は自宅で療養。
・2020年4月14日(火) 体調不良との報告が教育委員会にあり、小学校の関係従事者に校長が在宅勤務を命じる。帰国者・接触者外来に相談。
・2020年4月15日(水) 教育委員会の提案で宇都宮市衛生環境試験所でPCR検査を実施。陽性判明。軽度の下痢あり
・2020年4月16日(木) 入院予定
この会見では、結果的にALT=外国語の担当者であることが判明していますが、益子町や益子町教育委員会は頑なに「学年などが明らかになる」と情報公開を拒否しています。すでに授業を受けた児童宅には一人一人電話連絡をしているとのことで、会見では「児童との接触は考えにくい」と説明しますが、それを説明する会見での内容は不十分でした。これらの学校は児童の人数が少なく、かつ担当分野も充分に特定できる状態です。
接触者の情報収集にしても「厚労省に従って」と後手に回っている状態。この段階での情報操作は、“不安をあおる”というレベルの状況ではありません。もちろん基本的人権であるプライバシーをいたずらに侵害するのは絶対してはいけないことですが、子供達が集まる場所での深刻な事態を解消するためには積極的な情報公開は不可欠ではないでしょうか。
本件における、未知のウイルスの急激な感染拡大が広がる中、学校に子供達を通わせ教室という密の空間にいれたり、在宅勤務・在宅教育を実施しないという致命的な過ちは見過ごせません。また、学校が実施する熱の確認フローを抜けたとはいえ(ただ、聞く限りルールが雑という印象)、人が集まる場所で、かつこの世界的な有事の中、症状がありながら授業を行うのを許した組織のシステムや慣習、気の緩みがあったことに問題があるといわざるを得ません。
(追記)
4つの小学校は、学校主体で学童保育を行っており、各校40名前後(七井小は17〜18名程度)を預かっていた(日によって変動あり)ものの学校閉鎖により停止。そもそも、教育委員会は「自宅待機」を提唱していたものの、対応しきれないご家庭が多くあったとのことです。企業などもこの危機に一丸となって対応する必要があることも感じました。
【関連URL】
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