栃木県知事 福田富一氏は本日(2020年4月15日)、栃木県庁で会見を行いました。新型コロナウイルス感染のさらなる拡大を受け、基本的対処方針を改正したとのことです。
しかしながら、すでに営業自粛に入っているところも多い「繁華街の接客を伴い飲食店等への外出自粛」やコールセンターを新設するといった内容で、決定打となるような発表はありませんでした。
福田富一栃木県知事は「新型コロナウイルスの栃木県内の感染確認者は現時点で38例。2020年3月末から急拡大しており、4月7日以降で半数の19名が確認されるなどの重要な局面に入っている」として、基本的対処方針を改正し、全庁で対処することにしたといいます。
栃木県の基本的対処方針改正による新たな取り組み
1. 繁華街の接客を伴い飲食店等への外出自粛を求める
すでに外出自粛が要請されている状況下で、栃木県内でも多くの対象店が自粛しているとみられます。しかし、国の要求に従う形で、そういった店舗に行くことを避けることを改めて強調したということのようです。
2. コールセンターを新たに開設
現時点で、新型コロナウイルスについての電話相談は16435件という数字がでてきています。これらは、広域健康福祉センターや宇都宮市保健所がそれぞれ対応している状況ですが、新たに統合窓口として以下24時間体制のコールセンターが2020年4月16日(木)に設立されるとのことです。開始時間は朝9時。
このコールセンターでは、地域に限らずさまざな問い合わせに対応し、発熱のあるかたは広域健康福祉センターや宇都宮市保健所につなぐというもの。人的リソース不足の対応とのことだと思いますが、連絡網の階層が増えるだけでたらい回しになるようなことにならないか懸念されます。
栃木県版 専門家会議などもスタート
感染症患者の病症への受け入れや病院間搬送をスムーズに行うため、感染症入院医療調整本部という組織を設置。自治医科大学附属病院等から顧問を迎え、入院医療機能の調整を行うとのこと。
なお、現時点で病床拡大に宿泊施設などの提供を呼びかけたところ10施設、500床の応募があり、今後、検討する予定とのこと。
また、今後の外来や入院体制を強化するため、医師会や感染症指定医療機関など医療対策推進委員会(国でいう専門家会議)を定期開催する予定。すでに第一回は開催済みで、明日4月16日に2回目も開催するとのことです。
栃木県知事は、これに加え、東京都などが積極的に発信する「3つの密」を避けることや、スーパーなどへの家族での来店、デマや誤った情報の拡散などへの配慮など複数のテーマの発言を行いましたが、全てが後手に回っている印象です。
目新しいものとしては、マスク確保運動として、縫製などの事業者や販売事業者などの情報を集約するホームページに開設する取り組みなどが発表されましたが、こういった取り組みは民間でも行っています。これを果たして栃木県という大きな組織が手がける新型コロナウイルス感染拡大の抑止策となる有効な手段とできるか真価が問われそうです。
このような緊急時の会見前、なかなか話が始まらず疑問に思っていたところ、「2022年開催のいちご一会とちぎ国体ソング」を全て流し終わってからスタートするという段取りに唖然。知事自身が何度も笑顔を見せるなど、緊張感に欠ける内容だったことは否定できません。
また、オンライン教育が当たりなりつつある流れの中、4月22日まで休業中の教育機関の対応もまだ何も対策が確定していないとのことも表明されています。
新型コロナウイルスは人の命を奪う、県民の社会生活を壊す可能性が高い重大な感染症です。国や東京の意向に受けるだけではない、積極的建設的な姿勢を見せて頂きたいと強く感じました。
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