「馬力神」と刻まれた石碑、栃木・宮城・茨城のみに点在

みなさんは「馬力神」と刻まれた石碑をみたことがありますでしょうか?こちらの写真は宇都宮市のど真ん中にある一例。これが栃木県全土で多数見受けられるのですが、どうやらごく限られたエリアにのみ存在する民俗信仰によるものらしいのです。

とはいえ、宇都宮市や鹿沼市、壬生町、茂木など、栃木つーしん中の人が気がついたものだけでもかなりの範囲に点在しているのを確認できる規模。全国いろいろなところに行きますが、栃木県でしか見たことがないのです。一体どういったものなのでしょう?

馬の守護神 〜愛馬の供養のために造立

栃木県立図書館におけるリファレンスより「「馬力神」とはどのような神様ですか。また、馬力神についての資料を教えてください」文献などがまとめられていました

『日本民俗大辞典』(福田アジオほか/編 吉川弘文館 1999)によると、「馬の守護神。自然石に馬力神と刻んだ石塔が栃木県や宮城県で見られるが、その大部分は愛馬の供養のために造立されたもので、神名のほか、紀年銘と造立者を記すだけのものが多い。馬力神の石塔は、栃木県下都賀郡壬生町南犬飼北坪の1851年(嘉永4)例が現在知られる最古のもので、幕末に出現し、明治時代にもっとも多く造立された。」と説明があります。

壬生町がまとめた資料にも関連する記述がありました。

家畜である馬や牛の健康を願って立てられた馬頭観音の仲間

として「馬力神」が挙げられています

また、この個人ブログでは、「馬力神」石碑そのものに明治や大正時代といった馬車交通時代に建立されたという説明が刻まれていると書かれています。どうやら、270超の「馬力神」石碑が存在するようです。

栃木を中心に、ここにしかない文化。興味深いですね。より詳しい話をお持ちの方は、SNSなどを経由して情報をお寄せいただけると幸いです。

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