2022年9月からスタートした交通系ICカード「totra(トトラ)」を使っている方は意外と多いのではないでしょうか?発行枚数は調べてもみつかりませんでしたが、LRTの利用者が2025年7月で50万人を超え、ほとんどの方がICカードを利用していることをみると相当の枚数が発行されていると思われます。
totora(トトラ)は意外と多くの特典が用意されています。まずは「交通ポイント」。totoraを使って路線バスの一部(関東自動車・ジェイアールバス関東(宇都宮支店・西那須野支店管内))および宇都宮ライトレール(LRT)を利用すると、支払った運賃の2%が交通ポイントとして還元されるんです。
貯まった「交通ポイント」は次回以降の運賃の支払いに使うことが可能です。支払いは、その運賃分の交通ポイントが貯まると自動で行われます。例えば190円の運賃を支払う際、交通ポイントが190ポイント以上貯まっていたら自動で全額支払われるのです。つまり、その場合、支払額は「0」なんです。結構刺激的ですよね。
加えて「福祉ポイント」などが提供される制度もあるのでうまく活用して交通費を抑えたいですね。
もう一つ、あまり知られてないように感じますが、totora(トトラ)を使ってバスやLRTを乗り継ぐと、100円から200円という大きな割引が適用されます。60分以内という制限がありますが、バスで目的地に行って用事を済ませてまたバスで戻ってくると帰り道がタダなんてもこともあるわけです。
・ライトラインとバスの乗り継ぎ:100円割引
・ライトラインと地域内交通の乗り継ぎ:200円割引
・バスと地域内交通の乗り継ぎ:200円割引
・バスとバスの乗り継ぎ:200円割引
さらに、バスの運賃の上限を400円までとする施策も存在します。宇都宮市がICカード展開の助成金を決める際にアピールしていたのがこの施策で、totora(トトラ)およびSuica(スイカ)など交通系ICカードの利用で、宇都宮市内での乗り降り,かつ平時に午前9時~午後4時の降車に対し、運賃の上限を400円にするというものです。
当初は「バスの片道運賃で400円超えることなんてある?宇都宮市内限定でしょ?」と懐疑的でした。筆者は宇都宮市のほぼ中心地に住んでいるため、400円を超える運賃が発生するバス移動なんて大谷くらいしか思い浮かばなかったからです。
そこで宇都宮市に問い合わせをしてみました。ご回答いただいた代表例が以下のようなもの。
【例1】:上河内地区市民センター(宇都宮市中里町)- 宇都宮駅西口 片道運賃830円
【例2】:瑞穂野市民センター(宇都宮市下桑島町)- 宇都宮駅西口 片道運賃560円
【例3】:大谷観音前(宇都宮市大谷町)- 宇都宮駅西口 片道運賃530円
確かに例1なんかは上限400円が適用されるとかなりお得感があります。こういった地域に住まわれている方がJR宇都宮駅などに向かう場合はありがたい限りですよね。
しかし、宇都宮市が大々的にアピールするほど、多くの宇都宮市民がこの制度を利用できるのでしょうか?ということで、その数も聞いてみましたが、
「令和5年度の1年間で343,862件となっております。」
とのことで、かなりの規模です。相当多くの方にありがたい制度になっているんですね。
確かに、筆者の私は中心部から商業施設や駅への移動程度にしか考えていませんでしたが、乗り継ぎ制度やLuupなどのシェアリング移動手段などと組み合わせたら、移動の幅が広がり、もっとうまく制度を使いこなすようなことができると思いました。(これがスーパースマートシティ、ネットワーク型コンパクトシティか!)
今回、 宇都宮市 総合政策部 交通政策課にご協力をいただきました。ありがとうございました。