栃木県が警戒レベルを引き上げへ、直近一か月「5つのクラスター」まとめ

栃木県は本日(2020年7月27日)、記者会見を開催し、栃木県内の新型コロナウイルスに対する警戒レベルを一段階引き上げることを表明しました。期間は2020年7月28日(火)から8月31日(月)までを予定。

栃木県が定義する警戒レベルは、警戒度合いが高いものから「特定警戒」「感染拡大注意」「感染観察」とされていおり、これまでの「感染観察」から「感染拡大注意」へと引き上げます。

これにより「栃木県民に対する協力要請」・「事業者に対する協力要請」・「イベントなどの開催に対する協力依頼」(延長)が栃木県全域で要請されます。なお、福田冨一栃木県知事は「クラスターの全てが県外由来とは言いきれない」としてGoToトラベルキャンペーンは継続することも明らかにしています。

深刻な感染拡大、しかし警戒度-中-の「感染拡大注意」となる理由

わかりにくい部分の多い警戒レベルの説明はこちらの記事(「新型コロナ 栃木県独自の警戒度判断基準を作成」)をご参照ください。これまでの新規感染者数や検査陽性率、病床稼働率の数字から、警戒度を算出しています。

栃木県では、直近1か月で5つのクラスターが発生し、また直近一週間で過去最大38人の新規感染者が確認されています。また、経路不明は36%と感染拡大動向だけをみれば警戒度トップの「特定警戒」レベル。深刻な状況です。

そのほかの数字である、検査における陽性率は3.1%でこちらは警戒度“中”の「感染拡大注意」、病床率は21.8%(増加傾向)・重症病床は0%と警戒度“低”の「感染観察」となっています。感染者の急増における深刻な状況と、病床や陽性率を同じ軸でならべることに、県民としてはいささか疑問を感じますが、栃木県はこれらを組み合わせて警戒度中の「感染拡大注意」とした形です。

5つのクラスター、まとめ

これまで栃木県で発生した直近5つのクラスター型感染発生のパターンについて、栃木県はこのように原因を分析しています。

原因のほとんどが三密に関係しており、マスク未着用、体調不良時に出勤しているなどの共通点があります。栃木県の基本的な対策は感染防止の指導と従業員教育、ガイドラインの徹底であり、これらを通じて「三密」を回避するとしています。

■接客を伴う飲食店従業員クラスター(22名が感染)

・換気が悪い密閉空間
・多人数が集まる密集な場所
・会話などの密接場面(マスク未着用)

■集会クラスター(他県を含め19名が感染)

・換気が悪い密閉空間
・多人数が集まる密集な場所
・会話などの密接場面(マスク未着用)

■美容系業従業員クラスター(他県を含め11名が感染・従業員休憩室)

・換気が悪い密閉空間
・狭い環境の密集場所
・会話などの密接場面(マスク未着用)

■飲食店従業員クラスター(関連の方を含め10名が感染)

・体調不良時に出勤
・換気が悪い密閉空間
・狭い環境の密集場所
・会話などの密接場面(マスク未着用)

■通勤に伴う同僚クラスター(他県確認を含め16名が感染)

・換気が悪い密閉空間
・狭い環境の密集場所
・会話などの密接場面(マスク未着用)

栃木県民に対する協力要請

■ 基本的な感染防止対策の徹底

・マスクの着用・換気の徹底といった「三密」買い飫肥
・人と人との距離の確保
・手洗いなど手指衛生維持

■ 体調不良時には仕事を休み、旅行・外出を控える

■ 感染防止対策の徹底が行われていない場所への外出を控える

栃木県内事業者に対する協力要請

■ 感染拡大予防ガイドラインの徹底
■ 感染拡大防止のための適切な取り組み
■ 新型コロナ感染防止対策取り組み宣言の実施

栃木県内のイベントなどに対する協力要請

■ 全国的かつ大規模な催物等について、リスク対応が整わない場合は中止または延期するなど慎重な対応をする

・感染防止策(入退場時の制限や誘導、待合場所における密集の回避、手指の消毒、マスク着用、換気など)の実施
・屋内の場合:規模は5000人以下、かつ収容定員の半分以下の参加
・屋外の場合:5000人以下の参加者、かつ人と人との距離を充分確保


【関連URL】
・[最新] 栃木県・新型コロナウイルス感染まとめ

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