人権と新型コロナ「気がつかない3つの感染症」とは?

全国で新型コロナウイルス感染に関する一方的批判や偏見、デマ、ヘイトが多発しています。栃木県を含め、全国で多くの地方自治体や行政機関などがウイルスと深く絡んだ人権についての警鐘を発信しています(一例:法務省東京都大阪府埼玉県埼玉県入間市千葉県佐倉市千葉県松戸市兵庫県宍粟市鳥取市長岡市熊本市京都府亀岡市など)。これ以外にも全国、世界中が新型コロナウイルスと人権尊重の問題で大きく揺れています。

なぜ感染症と人権尊重がこれほど大切なのでしょうか?実は、新型コロナウイルスには3つの顔があるといわれます、「病気」と「人の不安感」、そして「差別」です。この3つの感染症が複雑にからみあっているといわれます。

新型コロナウイルスは未知の部分が多い恐ろしい感染症です。誰もが気がつかないうちに感染する可能性をもっています。

新型コロナウイルスには3つの顔がある


(「新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう 〜負のスパイラルを断ち切るために(日本赤十字社新型コロナウイルス感染症対策本部)より)

日本赤十字社が公開したのは「病気」と「不安」と「差別」がスパイラルとして感染拡大を助長してしまうという警鐘です。

「病気」はいわずもがな新型コロナウイルスのこと。感染している人に接触することで感染するもので、直近では風邪などの症状を悪化させ肺炎を引き起こすことなどがわかっています。

「不安」とは私たちの心の中の不安そのものです。新型コロナウイルスは未知の感染症です。遺伝子解明もできておらず、ワクチンも治療薬もまだありません。分からないことが多いので、誰もが不安を感じている状態です。しかし、これが膨らむと「気付く力」「聴く力」「自分を支える力」を弱め、不安を人から人に伝染させることになります。

「差別」については「偏見」「嫌悪」と組み合わせて説明されています。不安や恐れから生き延びるための感情ですが、これが粋すぎると人と人との信頼関係や社会のつながりが崩壊します。

新型コロナウイルスでなぜヘイトや差別が起こるのか

結局、新型コロナウイルスが見えない敵であることに起因します。特定の対象が原因であると決めつけ、一方的批判や差別でそれを回避しようとする一連の仕組みになっています。

これを無くすには一人一人が衛生状況を改善し、情報を咀嚼し、自らの判断で取り上げ、議論するしかありません。日本赤十字社のこの解説では以下のような説明が成されています(若干追記しています)

「病気」(新型コロナウイルス)への対策

・手洗い
・マスク着用
・清掃など衛生状況の向上
・人混みの回避

「不安」への対策

・気付く力を高める → 自分をみつめる(状況整理・多面的な評価・心を落ち着ける)
・聴く力を高める → ウイルスに関する悪い情報ばかり観てないか? なんでも感染症に結びつけてないか? →情報から距離を置く・生活習慣を整え親しい人との交流を採り戻す → 自分を支える力を高める

「差別」「偏見」「嫌悪」への対策

・差別的な言動に同調しない
・情報の確からしさを追求する(これが絶対正しい、ということはありえません)
・さまざまな立場(医療従事者・自宅待機・社会インフラの従事者・高齢者子どものいる家庭など)の人をねぎらい・経緯を払う

新型コロナ人権侵害で起こっていること

では、今、新型コロナウイルス関連で人々はどういった人権侵害やヘイトを引き起こしているのでしょうか。これらは人権侵害であったり、個人情報保護法違反であったり、時には業務妨害行為などにつながります。また、医療従事者や行政・マスコミなど社会インフラ従事者のヘイトは社会に大きな打撃を与えます。

最後に、栃木県などでも散見される具体的事例と3つの感染を防ぐヒントを簡単にまとめてみました。

・「外出してる」 → 人にはさまざまな理由があり、外出をしなければならない人もいます
・「営業してる」 → 事業を停められないなどの理由がある会社もあります。十分な対策を行っている事業所も多数あります
・「(報道に対し)煽ってる」 → 正しい数字と動態を理解することが感染抑止につながります
・「あそこから感染が広がってる」 → 保健所などが調査公開する感染につながる詳しい情報を頼りにすべきです。そもそも空気感染しませんし、栃木県では陽性の方は全て入院治療を行っています
・「(医療従事者に対する差別やヘイト)」 → 知識と設備を整えた上で感染抑止しながら治療にあたっています。過酷な労働環境の中で疲弊しており、市民一丸となってささえなければなりません(多くの国と地域で支えるための取り組みは行われています)
・「行政はバカだ」 → かつて無いスピードでさまざまな施策を展開しています。公衆衛生は市民一人一人の意識と行動で形成されるものです
・「地元に来るな」→ 人にはさまざまな理由から移動しなくてはならないケースがあります
・「感染者を見つけて追い出せ」 → プライバシーおよび人権侵害です。対策することで拡大阻止は可能です
・「感染するのはバカだ」 → 誰でも感染する可能性がある世界的感染症です

以下はデマ情報や噂話を鵜呑みにするケース。他人の意見を盲信するため悪質ですが、詐欺などと同じくウマイ話なので載せられやすい怖さがあります。大切なのは実名で、グループなどではなく公表公開・議論されているかどうか

・「新型コロナは風邪だ」 → 大半は特定の個人の意見をそのまま転載などするケースで事実かどうかはわからず盲信しています
・「マスクはするな」 → こちらも事実かどうかわらない話を盲信するケース。そもそも正体不明のウイルスを軽視し、感染拡大を行わないという非常に恐ろしい発言。当然感染リスクはあるし、日本だけでみても感染した事例が多数あります
・「電車で感染しないんだからたいしたことは無い」→テレビなどの情報を断片的に鵜呑みにするケース

これら事実に即してない噂話等を信じ込み安易に伝搬などをすることで、適切な感染予防策や正常な治療/検査が受けにくい状況をつくります。また、不安とヘイトとウイルスは連鎖するために無限のスパイラルに陥る懸念があります。

新型コロナ ウイルスと人の心が感染を拡大させている

以上、ウイルスに対する不安感を入り口に、気がつかないうちに「敵探し」をしている状況にあることがわかりますでしょうか?

敵は「ウイルス」「不安感」「差別」という3つの感染症です。

その敵は私たちの心の中に潜み、私たちの行動に紐付いています。この3つの敵の連鎖を無くさなければ、新型コロナウイルスの感染拡大は止まらないといえます。

大切なのは手洗い・マスク・衛生状況の向上にはじまり、「他人に対する敬意」として「情報に対する向き合い方」になるといえるでしょう。

情報について、特に大切なのは情報量と議論です。テレビなどで放映されたコメントを助長せず、疑問を提し議論することで確からしい情報へと近づくことができます。感染症には正解などありません、特に未知のウイルスなのだから当然です。自分自身が言っていることが本当に確からしいのか?考え続けることが大切です。また議論は、デマ信者や正義マンのような一方的な主張・批判をしてまう流れを解消するためにも有効です。

最後になりますが、人の心はウイルスの拡大につながります。人権を奪うばかりか、公衆衛生を崩壊さえもたらし、新型コロナウイルスの拡大を助長します。私たち一人一人の意識と行動がこれからの未来を作ると思います。

感染された方のみなさんの早期回復と、事態の収束を心から願います。

【関連URL】
・[最新] 栃木県・新型コロナウイルス感染まとめ

maskin